Archive for 2011年7月23日


盆の迎え火

日本の夏といえば、ご先祖様をお迎えするお盆。これを欠かすことはできません。

 

そのお盆といえば、主に8月中旬から下旬にかけてが一般的ですが、私の住んでいる辺りでは、ちょうど今の時期(今年は7月23日から26日)をお盆としています。

 

というのも、元々養蚕や農業が盛んだったこの地域では、8月は田んぼの管理や蚕の飼育で忙しかったという背景があります。

 

お盆はご先祖様が帰ってくる為、なるべく丁重にもてなしたい。そういう思いがあって、この辺りでは比較的余裕のある7月下旬にお盆をするということでした。

 

最近では、養蚕農家もめっきりなくなったので、他の地域に合わせて8月にやるところが多くなってきましたが、私の祖父母の家ではあえて変える理由も無いので、毎年この時期にやっています。

 

小さいころは親類縁者が集まる一大イベントで、私も従兄妹共々毎年参加していました。

 

当時はお盆よりも、従兄妹に会えるという思いの方が強く、あまり意識してやっていませんでしたが、今一度意味を噛みしめながらやってみると、なんとも情緒漂うイベントだなぁと感動します。

 

日本人の意識を呼び起こしてくれる、良き文化です。

先日購入した「smc PENTAX-M 50mm F1.4」をもって、この世代の明るい50mmレンズ三種をゲットしたので、是非撮り比べをしてみようという気になりました。

 

各絞り値において、どれほどの解像感・ボケ・色のりを見せてくれるのかが見ものです。

 

出場レンズをご紹介します。

 

エントリーナンバー①「smc PENTAX-M 50mm F1.4」。この焦点距離で二番目に明るい(一番はF1.2)高級標準レンズ。中の張り合わせレンズ(二枚のレンズをくっ付けて光学性能を上げる)にバルサム(接着剤)切れの症状が出ている個体もあり、画質低下が気になるところ。

 

エントリーナンバー②「smc PENTAX-M 50mm F1.7」。F1.4の廉価版として販売されていた明るいレンズ。立ち位置は微妙ですが、絞ってF2を使いたいときに有効。

 

エントリーナンバー③「smc PENTAX-M 50mm F2」。こちらは三つの中で一番の廉価版。張り合わせレンズを使っていない構造は、経年劣化の影響を最も受けにくいというのはもっぱらの噂。

 

 

さて、本題に入っていきましょう。

 

撮り比べでは、開放・F2・F2.8・F4をそれぞれ見ていきます。

 

まずは開放。それぞれのF値は、1.4, 1.7, 2です。

 

①「smc PENTAX-M 50mm F1.4」(シャッタースピード1/125秒)

F1.4_001

②「smc PENTAX-M 50mm F1.7」(シャッタースピード1/125秒)

F1.7_001

③「smc PENTAX-M 50mm F2」」(シャッタースピード1/60秒)

F2_001

開放ではそのレンズの特徴が最も良く表れています。勿論、F値が小さい(明るい)レンズであればボケ量は多いですし、ピントが合う幅も短くなります。

 

この場合、① >②>③の順番で背景がぼやけ、ソフトな印象になっています。

 

個人的には①は少しソフトすぎる感があるので、あまり好きではありませんが、女性のポートレイトに使えるかもしれません。

 

続きまして、①, ②を一段絞ってF2にしてみた画像です。③はお休みです。

 

①「smc PENTAX-M 50mm F1.4」(シャッタースピード1/60秒)

F1.4_002

②「smc PENTAX-M 50mm F1.7」(シャッタースピード1/60秒)

F1.7_002

どちらも一段絞ると、より締まった描写になります。こちらでも①>②の順でソフト感が残っています。

 

等倍で見ると、両者ともオレンジの色滲みが気になります。

 

続いてはF2.8。そろそろカリッとした描写を見たいところですが、どうでしょうか。

 

①「smc PENTAX-M 50mm F1.4」(シャッタースピード1/30秒)

F1.4_003

②「smc PENTAX-M 50mm F1.7」(シャッタースピード1/30秒)

F1.7_003

③「smc PENTAX-M 50mm F2」(シャッタースピード1/30秒)

F2_003

③は一段絞りということで、一番甘い(ソフトな)描写になっています。①、②に関してはほぼ互角で、若干②にシャープさがあるかなぁといったところです。

 

オレンジの色滲みもあまり気にならなくなってきました。

 

そして最後のF4。果たして、劇的に変わることはあるのか。

 

①「smc PENTAX-M 50mm F1.4」(シャッタースピード1/15秒)

F1.4_004

②「smc PENTAX-M 50mm F1.7」(シャッタースピード1/15秒)

F1.7_004

③「smc PENTAX-M 50mm F2」(シャッタースピード1/15秒)

F2_004

全体的な解像感はどれも良いですが、細かく見ていくと、②>①>③の順でピントが合った範囲がしっかりと写っています。

 

③はもう一段絞れば互角に戦えそうです。

 

総合的にみると、②「smc PENTAX-M 50mm F1.7」がより優れているというのが私の感想です。

 

ただし、これはあくまでも私が持っている個体の中で、という前提条件が付くので、他の個体までもがこの通りになるとは限りません。

 

レンズを分解して清掃するときに上手く拭かないと曇りが残って、全体的に眠い印象になってしまうことも考えられます。

 

あくまで参考程度にしていただけると良いです。